研究概要 |
平成2年度(本研究の第1年度)はフェ-ズ1〜フェ-ズ3を執り行なった。フェ-ズ1では、日本の都市圏別デ-タ整理作業は予定通り進行した。(但し1990年10月国勢調査の速報は平成2年度中に公表されなかったのでこれに関連するデ-タ収集整理作業は平成3年度に持ちこされた。)一方欧州の都市圏別デ-タの収集に手間どり幾分の予定変更を余儀なくされた。しかし幸にもドイツのカ-ルスルエ大学地域政策研究所(IUW),ウィ-ン経済大学都市・地域計画研究所(IIR)などの研究者からの協力を得て,現在順次段階的に欧州都市圏別デ-タファイルを整理している。 フェ-ズ2については,利用可能な範囲のデ-タに基づき第一次的なRoxy指標分析を行ない「都市圏システムのライフサイクル過程の位置」を定量的に把える考察を試みた。その結果いまだ暫定的ではあるが,「都市圏システムが逆都市化段階に向けて辿る過程は,米国の都市圏システムが最も先行し、次いで欧州都市圏システムが続き,その後に日本の都市圏システムが追随している状態」をROXY指標値に拠って明らかにすることができた。 フェ-ズ3については「都市圏域ライフサイクル仮説」と「都市圏システムライフサイクル仮説」の統合的枠組みとして認識される「空間的ライフサイクル仮説」をベ-スに据えた考察を試み,要因と現象との関係に着目しつつライフサイクル仮説の改善の方向を探った。 なお、「統計資料の整理・加工・表示の手段をより効率的かつ解り易く行なう視座に立って改善する目的」に照らして、ハ-ドディスクドライブとRGBモニタ-の活用により、種々の試行を執り行なった。また、都市圏成衰を左右する要因の一面を探る意味において、人口を流出する農山村サイドの現象についても、考察を試みた。
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