グロ-バル地球磁場変動観測システムの開発

1991 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 02504002
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 林 幹治 東京大学, 理学部, 助教授 (60011730)
• 研究分担者: 坂 翁介 九州大学, 理学部, 助教授 (80108638) ; 北村 泰一 九州大学, 理学部, 教授 (40037239) ; 湯元 清文 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (20125686) ; 田中 義人 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (30023675) ; 國分 征 東京大学, 理学部, 教授 (00011502)
• キーワード: 地救磁場 / デ-タ集録 / グロ-バル観測 / カナダ / 北極 / 赤道

研究概要

この研究は太陽風-磁気圏結合に起因する地球磁場擾乱グロ-バル特性の研究観測システム開発を目的とする。極寒から熱暑、現地研究機関から半無人に渡る様々な設置環境を想定して次の3のタイプの磁場観測・記録装置の開発を行っている。磁力計センサ-部とデ-タ集録機構の違う、モデル1(委託観測による6週間毎のテ-プ交換)、モデル2(委託観測による18週間毎のテ-プ交換)、モデル3(赤道地域でのデ-タ取得のために半無人記録装置)について、機器の基本的な開発を平成2年度までに完了し、平成3年度は各研究グル-プが係わる、カナダ北極域、北欧、赤道域等に実際に設置してデ-タの取得実験を開始した。
これまでにあった記録機器の不安定、時刻精度などの個々の問題は概ね解決され各地で順調に磁場デ-タが取得されつつある。各観測地域固有の問題(標準時刻電波の受信状況、気温、小動物が起こすケ-ブル類への障害、委託する操作員の熟練度)への適応も進んだ。磁気テ-プ駆動部については耐用時間及び信頼性の点で保守への対応を改善する必要が生じた。取得された大量の磁場デ-タは大容量ファイルシステムへ順次蓄積されつつありデ-タベ-ス化されつつある。そのデ-タ資源のグル-プ間共有、あるいは内外の研究者が利用することが出来きるよう、デ-タネットワ-ク上での公開について実験を始めた。
今後の衛星通信システムの広がりと一般化を想定して、衛星通信を利用した遠隔地(北海道・女満別)よりの磁場観測値の実時間伝送の実験を行うため、電波発射装置の輸入し、同時に電波発射の免許申請を開始した。本格的な実験の開始は平成4年度となる。

研究成果

• [文献書誌] Kawano,H.: "Occurrence of magnetospheric flux transfer events during substorm." Geophysical Monograph (ed.by T.A.Potemra et al.)AGU “Magnetospheric Substorms". 64. 409-419 (1991)
• [文献書誌] Kokubun,S.: "Triaxial search coil measurements of ELF waves in the plasmasphere:Initial results from EXOS-D." Geophys.Res.Lett.18. 301-304 (1991)
• [文献書誌] Nakamura,R.: "Auroral and energetic particle signatures during a substorm with multiple expansions." Geophysical Monograph (ed.by T.A.Potemra et al.) AGU “Magnetospheric Substorms". 64. 285-294 (1991)
• [文献書誌] Yumoto,K.: "Wave characteristics of low-latitude Pc 3 magnetic pulsations observed along 210ﾟ magnetic meridian." Pacific Regional STEP Conference Taipei,Taiwan,held on 10-12 April,1991. 60-63 (1991)
• [文献書誌] Yumoto,K.: "Globally coordinated magnetic observations along 210ﾟ magnetic meridian during STEP period:1. Preliminary results of low-latitude Pc3′s." J.Geomag.Geoelectr.(1992)
• [文献書誌] Saka,O.: "Sunrise effect on dayside Pc pulsations at dip-equator." J.Geophys.Res.(1992)