研究分担者 |
田中 紘幸 三菱電線工業(株), 電子通信研究部, 主席研究員
四ッ谷 雅実 三菱電線工業(株), 電子通信研究部, 部長
花泉 修 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (80183911)
白石 和男 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (90134056)
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研究概要 |
1.積層型偏光分離素子(LPS) これまで,LPSについての基本的な作製条件は得られているが,さらに, (1)大きい分離角を得るために,屈折率を高くする, (2)素子の挿入損失を小さくするために,吸収係数を小さくする, (3)機械的に安定な多層膜を得るために,内部応力を小さくする, の3点に関してLPSの高性能化を図るために,構成材料となる石英と水素化アモルファスシリコンの成膜条件について検討を行った結果,次のような結果を得た。 Si膜の作製については、H_2分圧などのスパッタリング条件を改善することにより,吸収を大幅に低減できた。また,圧縮応力はスパッタガス圧を高くすることによって大幅に低減できた。基板の温度依存性はほとんど見られなかった。以上のように,Si膜の諸特性を改善することができた。SiO_2膜についても,圧縮応力をs-Si:H膜と同程度に低減することができた。厚さ81.5μmのLPSを試作したところ,波長1.55μmで分離幅22.6μmが得られた。以上により,集積型アイソレ-タ用として有望であることを実証した。 2.ファイバ集積型光アイソレ-タ 熱処理によりコアを拡大したいわゆるTECファイバ,ルチル,λ/2板、およびファラデ-ロ-テ-タから成る偏波無依存型ファイバ集積型光アイソレ-タを試作した。その結果,順方向損失は2.2dB,逆方向損失は35dBが得られた。今後は,一括アセンブリやLPSを用いることによる小型化,高性能化を進めることが課題である。
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