研究課題/領域番号 |
02505006
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
乾 智行 京都大学, 工学部, 教授 (60025989)
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研究分担者 |
竹口 竜弥 京都大学, 工学部, 助手 (30227011)
井上 正志 京都大学, 工学部, 助手 (30151624)
宮本 明 京都大学, 工学部, 助教授 (50093076)
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キーワード | 天然ガス / プロパン / ミクロ多孔性結晶 / Ga-シリケ-ト触媒 / TG-GC-MASS / 芳香族化合物 / コ-キング / 全自動反応装置 |
研究概要 |
天然ガスや石油随伴ガス中に大量に存在し石油精製工程からも副生される炭素数2から5の低級パラフィンは、化学的に安定なためそのままでは有効な利用法がなく、ガス燃料等に使われるだけであり、付加価値の高い化合物への変換技術の開発が待たれていた。本研究の出発点は、ペンタシル構造を有するミクロ多孔性シリケ-ト結晶のケイ素原子の一部をGaまたはZnで置換したものが、低級パラフィンの芳香族化を著しく促進することを見い出したことである。既に昨年度、これらのGa-シリケ-トやZn-シリケ-トをPtで修飾した触媒が、コ-キングの抑制に劇的な効果をもたらすことを見い出した。また、Ptで修飾したした触媒には、Pt粒子の持つ分解能により、原料パラフィンの炭素数の増加と共に芳香族収率が減少するという問題があったため、Ptを結晶合成段階でGaとともに結晶中に取り込ませたバイメタロシリケ-トによりPtの分解能を緩和させこの問題を解決した。本年度は、Ptが高価であることを勘案して、Pt以外の遷移金属のコ-キングに対する効果を検討した。Ptよりもコ-キング抑制効果の高い遷移金属は見い出すことはできなかったが、この検討により、Ptの水素スピルオ-バ-効果とGaやZnの水素吸引能や水素放出能が効果的に作用し高い芳香族化能を発現するとともに、コ-クの前駆体を水素化しコ-キングを抑制していることが明瞭に示され、触媒調製法の改良によりさらに触媒寿命が改善される余地のあることが示された。また、昨年度導入したTG-GC-MASSにより生成する芳香族化合物の詳細な分析を行い、また低級パラフィンから生成するアルキルベンゼンなどの二次的な反応や、芳香族化合物の前駆体と考えられるナフテン類の反応挙動も詳細に検討した。さらに、本年度設置した全自動反応装置反応制御部のためのソフトウエアを開発するとともに、装置特性を明らかにした。
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