研究分担者 |
近藤 栄造 佐賀大学, 農学部, 助教授
正野 俊夫 筑波大学, 農林学系, 助教授
岩花 秀典 東京農工大学, 農学部, 助教授
廿日出 正美 静岡大学, 農学部, 助教授
藤條 純夫 佐賀大学, 農学部, 教授
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研究概要 |
本邦産昆虫寄生線虫の探索:マツノマダラカミキリに僞産卵させ個体群密度を低下させる線虫<Contortylenchus>___ー sp.が発見され,その生態が究明されている。種名については検討中である(森林総研)。九州においてもスタイナ-ネマのうち,<S.carpocapsae>___ーが2箇所,<S.feltiae>___ーは22箇所から検出され,この種の線虫は普遍的に分布することがわかった(佐賀大)。neodiplogasteridae科線虫にクワガタやカミキリに寄生するものが発見され生活史,人工培養が検討されている(濃環研)。 宿主昆虫の防御機構:線虫からは,昆虫の免疫機構を破壌する物質が分泌され,その結果昆虫体液内でフェノ-ルオキシダ-ゼが活性化されず,線虫は昆虫体内での被のう化,メラニン化を免れる(佐賀大,農工大) 共生細菌の性状:共生細菌<Xenorhabdus>___ー属の病原性,生化学的性状,抗菌活性等を検討した。共生菌の培養濾液も殺虫活性を示し,細菌の病原性は二次代謝産物に依存することが示唆された(佐賀大,SDS)。 線虫の感染行動:感染態幼虫は通常は被鞘しているが,脱鞘させた線虫が外界からの刺激に敏感で,昆虫への誘引も脱鞘線虫において顕著である。宿主認識は体表面の蛋白質によるものと推定される(佐賀大)。 害虫防除:ゴルフ場のシバットガ防除に<S.carpocapsae>___ー25万,50万,75万/m^2施用し,いずれも対照区の1/20〜1/40に被害を減少させた。スミチオン1,000倍液施用よりも防除効果を高めた(佐賀大,静岡大)。クワゴマダラヒトリには若令期の巣網に高圧噴霧することが要求される(鹿児島果試)。コナガ,ハスモンヨトウに対しては圃場での施用効果が低い。農薬混合等を検討する(野菜試久留米)。農薬混合施用は実験(予研)。 菌食性線虫:<Aphelenchus>___ー <avenae>___ーの繁殖は,餌糸状菌を種々替えることにより維持可能(佐賀大)。菌糸摂食行動をビデオで観察し,繁殖力は低いが,線虫は<Fusarium>___ー菌に最も誘引された(野菜試久留米)。
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