研究課題/領域番号 |
02507001
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研究機関 | (財)大阪バイオサイエンス研究所 |
研究代表者 |
早石 修 大阪バイオサイエンス研究所, 所長 (40025507)
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研究分担者 |
尾上 浩隆 大阪バイオサイエンス研究所, 第3研究部, 特別研究員 (80214196)
渡辺 恭良 大阪バイオサイエンス研究所, 第3研究部, 研究部長 (40144399)
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キーワード | ポジトロンエミッショントモグラフィ- / 近赤外 / アカゲザル / 睡眠 / REM睡眠 / ド-パミン / ケタミン / ヘモグロビン |
研究概要 |
ポジトロンエミッショントモグラフィ-(PET)や近赤外分光法は、脳局所の神経機能に密接に関係するエネルギ-代謝や神経伝達の動態を、無侵襲的に測定・解析することができる。そこで我々は、これらの測定方法を無麻酔下のサルに応用するためのシステムを開発し、脳の高次機能の神経機構の解明を試みている。1)PETシステム これまでサルなどの動物を用いてPETによる測定を行う場合、麻酔下の頭部を固定して測定する以外方法がなかった。しかし、脳の生理的な調節機構を検討するためには、無麻酔下で研究を行うことが最抵限必要であると考えられたので、我々はまず、無麻酔状態のサルに対するPET測定装置の開発を行った。その結果、特殊な坐位式モンキ-チェア-に頭部固定装置を装備した、サル用PET測定装置を完成した。このシステムは、課題負荷や薬物負荷などが容易に行うことができ、マイクロダイアリシスなどの脳内物質の局所定量法や近赤外分光法などの侵襲・無侵襲的な測定方法との組合せることにより、広く多角的な神経機能の解析を可能としている。現在までに我々は、このシステムを用い、ポジトロン標識したド-パミン受容体アンタゴニストの脳内結合動態を測定した結果、ド-パミンD1タイプ、D2タイプの両方のアンタゴニストの、線条体におけるド-パミン受容体への結合が、ケタミン麻酔によって著しく亢進されていることを見い出している。2)近赤外分光法 サル頭部に装着した光ファイバ-により長時間にわたる安定かつ持続的な脳内の信号の測定に成功し、一晩における、睡眠ー覚醒変化に伴う脳内ヘモグロビンの酸化ー還元状態の変動をモニタ-することに成功した。また、その際、REM(rapid eye movement)睡眠期に、一過性に発現する特異的な信号を見い出した。
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