研究課題
歪ゲ-ジ方式の高荷重に耐えうる荷重センサ-をインソ-ル内の任意の10ケ所に装脱着でき、半導体メモリに足底力分布デ-タを収録させ、フィ-ルドでの各種運動時の足底力の計測を可能とする携帯装置を開発した。本装置の開発にあたり、インソ-ル内のセンサ取付け位置を決定するため、X線計測上足部変形のない正常足36足の足底圧力分布を固体スイッチ素子マトリックス圧力分布測定装置により調べた。これらデ-タを基に、母趾球部の1点、前足部の3点、中足部3点、後足部3点、計10点にセンサを取付け、左右で20点の計測位置とした。荷重センサの性能は、大きさ13mm×6.1mmで、荷重範囲は0〜200Kg、直線性は±2%以下である。センサ出力は腰部に装着される携帯ユニットに導かれ、CPU制御により400Hzでサンプリングされ、12bitの分解能で半導体メモリにデ-タ収録される。測定終了後、収録デ-タは汎用パソコンで再生され、デ-タ処理・解析が行なわれる。測定例としてジョギング時の右足底力分布を測定し検討した。インソ-ルを直接足底に固定したものと市販の運動靴にインソ-ルを挿入しheel contactからtoe offまでの測定を行なった。まず前者では、足底力のピ-クはheel contactと同時に出現し、中足部で足底力は低下し、前足部ではtoe offに伴い足底力が増加した。また荷重点の軌跡は、後足部から中足部の外側を通り、前足部では外側から内側へ移動し母趾に達していた。一方、後者では靴底によりheel contactでの足底力は緩和されていたが、荷重点の軌跡には大きな違いを認めなかった。このように本装置により歩行時はもちろん運動時でも足底力分布の無拘束計測が可能であり、今後さらにフィ-ルド試験を重ね、各種運動時の足底力分布デ-タの蓄積と臨床応用を進めていく予定である。
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