1、本研究の中心部をなす干渉計の製作状況は以下の通りである。 (1)、駆動距離120cmのスライドテ-ブルを用いたマイケルソン型干渉計を製作し、その動作テストを行っている。波長安定化レ-ザ-を用いた光路長検出用干渉計を製作・組立途上である。 (2)、干渉計制御用ソフトの作成が当初予定に比して遅れている。 (3)、気体試料用ガスセル本体は完成した。 全体として計画に比し、干渉計の製作は少し遅れている。 2、サブミリ・ミリ波領域での分光測定用光源として有望視されているコヒ-レント放射光については、東北大学理学部附属原子核理学研究施設の電子ライナックを用いた実験により、その強度・偏光特性等を明らかにしてきた。 執中、バンチ間干渉実験により、各バンチからのコヒ-レント放射光が可干渉であることを実験的に明らかにした。この事は、コヒ-レント放射光のスペクトルが、電子ライナックの加速周波数を基本周波数とした高調波に対応する線スペクトルであることを示しており、高分解分光測定用光源としてコヒ-レント放射光を用いる場合の制約を示している。なお、これらの成果については発表予定(一部発表済)である。
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