1.本研究の目的の一つであるライナックからの電子ビ-ムによる、遠赤外域でのコヒ-レントなサブミリ・ミリ波放射の解明に、研究室の総力を上げて取り組んでいたため、可動距離120cmのスライドテ-ブルによる干渉分光計のシステムの整備が予定より遅れている。しかしコヒ-レント放射光の光源としての特徴が明かとなってきたので、遅れてはいるが、引続き計画に従い最大光路差220cmのマイケルソン型干渉分光計の完成に取り組む。 2.遠赤外域での分光用光源として有望視されているコヒ-レント放射光については、長波長域での分光特性を明らかにした。また、そのバンチ間の可干渉性が、ビ-ムのパルス特性とあいまって、高分解分光測定を行う上では一定の制約となることを明らかにした。なお、電子ライナックによるコヒ-レントなミリ波遷移放射についても実験を進め、遠赤外域での連続光源としてコヒ-レント放射光とは異なる特徴を有することを明らかにした。
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