研究課題/領域番号 |
02554007
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
目片 守 福井大学, 工学部, 教授 (80025345)
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研究分担者 |
小川 勇 福井大学, 工学部, 助手 (90214014)
立川 敏明 福井大学, 工学部, 助教授 (00020206)
出原 敏孝 福井大学, 工学部, 教授 (80020197)
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キーワード | ジャイロトロン / ミリ波 / Wバンド / Dバンド / ESR / 後進波管 / 超伝導磁石 / ファブリ-・ペロ-共振器 |
研究概要 |
適当な光源がないため研究が遅れているミリ波領域の分光学的研究を進めるために、福井大学で研究が進んでいるジャイロトロンを光源としてESR装置の開発を行うことを目的としている。 本年度はESR測定に適するように、キャビティ-のQ値を高くしたジャイロトロン管を設計製作した。製作したジャイロトロン管が98GHz〜135GHzにわたって17のモ-ドで発振し、その出力が十分な強度をもつことが確認された。現在3Hzのパルス運転をしているが、200mA程度の安定化定常電源が入手できれば連続発振が可能なことが、発振開始電流がかなり低いことから期待できる。本補助金でいくつかの回路素子を購入したので、WバンドとDバンド(90GHz〜140GHz)までの立体回路を揃えることができた。この波長領域では空洞共振器が使えないので、共焦点型ファブリ-・ペロ-共振器を種々設計製作した。導波管との接合部を調整することにより、Q値が約1000の共振器が得られた。検出した信号を増幅、積算したのちコンピュ-タに入力して結果をディスプレイするのに必要なハ-ドウェアとソフトウェアを完成した。 本実験ではジャイロトロンの主磁場と共鳴磁場を発生するために2台の超伝導磁石を使用する。そのうちの1台は本年度の補助金で購入したガスシ-ルド型8T超伝導磁石で、もう1台は既設の窒素シ-ルド型5T超伝導磁石である。液体ヘリウムの供給事情のために、まだ2台の超伝導磁石を用いてジャイロトロンを光源としたESRの観測はできていないが、立体回路の試験のため、98.5GHz、10mWの発振出力をもつ後進波管を用いて標準試料であるDPPHのESRを測定した。その結果、g値の異方性によって約1mTに広がった線幅をもつ吸収線が観測され、観測周波数の高周波化の有効性を実証することができた。引き続いて、ジャイロトロンを用いた実験を準備中である。
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