研究課題/領域番号 |
02554008
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
天谷 喜一 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (80029503)
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研究分担者 |
石塚 守 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (30184542)
那須 三郎 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (00030057)
小野寺 昭史 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (20029523)
遠藤 将一 大阪大学, 極限物質センター, 教授 (10001843)
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キーワード | 極低温超高圧 / 高感度磁化測定 / 圧力誘起相転移 |
研究概要 |
本年度の目標は、1.極低温用小型超高圧発生用ダイアモンドアンビルセルの開発2.室温におけるFeの圧力誘起相転移の観測3.高圧セルの冷却4.高圧下極微少試料の高感度磁化測定の4点である。 まず、ダイアモンドアンビルセルは、遠藤、小野寺らが非磁性BeCuを用いた新設計の小型圧力容器を試作、最高40万気圧の圧力発生に成功した。現在、更に容器を小型化し、50万気圧以上の超高圧を安定に発生させるべく検討中である。 Feの圧力誘起転移の観測は那須らにより行われ、そのメスバウア分光から30万気圧下のFeの内部磁場の消失が確認されているが、現在、更に高圧下におけるαーε転移の観測をめざして準催中である。 高圧セルの冷却は ^3He/4/He希釈冷凍機を用いて天谷らが行い、セルの冷却下限温度70mKを記録した。セルの小型化、熱シ-ルドの採用により、当面の目標である50mKも可能であると考えている。 高圧下磁気測定は本研究の最重要課題であったが、石塚らの努力により、本研究費購入になる高感度SQUID磁束計を用いた磁化測定に成功した。即わち、Pbの超伝導転移に伴う反磁性磁化の検出に成功、その転移点の圧力降下を10万気圧まで観測した。又、ルビ-蛍光の観測から試料の圧力分布も調べている。 以上、本年度は、本研究遂行上基本的に重要な項目のすべてについて所定の成果を挙げる事が出来たと考えている。今後の課題として、具体的な試料についてのオリジナルな実測結果を出す一方で、超々高圧の発生にも意欲的に取り組み、未開の複合極端条件をつくり出す事を挙げておきたい。又、測定温度域も極低温より室温域まで拡張、その為に必要な磁気測定システムの開発に取り組み、之によって分子固体の金属化、超伝導性といった最終目標に挑戦したい。
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