研究課題/領域番号 |
02554009
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
澤田 安樹 東北大学, 理学部, 助教授 (90115577)
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研究分担者 |
沖田 和彦 株式会社テスラ, 取締役
後藤 輝孝 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (60134053)
小松原 武美 東北大学, 理学部, 教授 (80004331)
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キーワード | パルスNMR、 / マイクロプロセッサ-、 / 超低温、 / 核スピン、 / 温度計、 / NMR温度計、GPIB、 / 核磁気共鳴 |
研究概要 |
この研究は,パルスNMR法によって1K以下の温度領域、特に10mK以下の温度領域で、マイクロプロセッサ-を組み込んだ温度測定装置を開発し、超低温研究者にとって使いよい信頼できる温度計として完成させることを目的とする。 10mK以下の温度では、パルスNMR法により核磁化を測定するのがもっとも信頼でき、かつ簡便な方法である。さらにこの温度測定法は、原理的にはナノケルビン温度領域まで使用できる可能性があり、この装置が研究者に入手できるようになれば、いっそうの低温研究の発展が期待できる。パルス列発生に、マイクロプロセッサ-の利用はこのような装置に極めて有効である。マイクロプロセッサ-を組み込んだNMR装置を組み立て、パルス発生回路の改善、マイクロプロセッサ-(8086)のソフトウェアの開発を行い、パルスNMR信号受信装置を2MHzまで使用できるよう回路を製作した。 過去に作られたNMR温度計は室温に対する安定度の悪いものが多かったが、受信回路やパルス発生回路のLC同調回路をCR同調回路へ変えることにより温度特性を格段に改善することができた。16ビットのADコンバ-タに見合った安定度を持つように、回路素子や基板、ケ-スの選択をした。完成した試作機を、核断熱消磁温度で、 ^3He融解圧力温度計と比較試験をし、0.3mKから極めて優れた性能を持っていることが実証された。マイクロプロセッサ-の雑音も小さく、測定による発熱も10pW程度であり、満足できるものであった。現在、長期間の安定試験を進めている。
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