研究概要 |
(1)温度変化調査 地震計を地下に埋め込むことによってどの程度気温変化の影響を軽減できるかを調べるために、大学グランドの地表,地下20cm,1mの位置及び犬山観測壕内にキャリブレ-ション済みの精密抵抗温度計を設置し連続観測を行った。地表では日変化が10度を越えることもあるのに対し、地下1mの深さでは観測壕と同様センサの誤差範囲(0.1度内)に納まることが判明した。これによって本計画の埋め込み式地震計の有望性が示された。 (2)地震計機械部分の改良 CMG地震計は水平位置を取るのにパルスシンクロナスモ-タ-を採用しているが、パルスを連続的に送る方式なので微調整が効かない。これを1ステップずつ送れるように改良し、CMGを速度型広帯域地震計にする際の機械的な問題点を克服した。 (3)地震計電気部分の開発 CMGを速度型に変換するために、(1)余分な速度出力・変位出力回路を取り去り、(2)振子位置検出回路中の積分回路を取り去り、(3)同回路中の差動アンプを特性の大きく異なる別の差動アンプに置き換え、(4)これに位相のずれに対する調整機能と発振に対する抑制機能をもたせ、(5)フィ-ドバック増幅回路中に微分回路を組み込んだ。 これにより周期20秒まで速度平坦な特性で安定に動作する地震計が実現した。
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