研究分担者 |
牧平 経市 三菱電機(株), 通信機製作所・通信機第一部, 主幹
山本 衛 京都大学, 超高層電波研究センター, 助手 (20210560)
佐藤 享 京都大学, 工学部・電気工学第二教室, 講師 (60162450)
山中 大学 京都大学, 超高層電波研究センター, 講師 (30183982)
津田 敏隆 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (30115886)
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研究概要 |
本研究の目的は,近年社会的にも大きく注目されている地球環境問題解明への一つの鍵として,人間活動にとって直接に最も関係の深い高度数kmより下方の惑星境界層大気の動態を詳細に監視するための,小型かつ可搬型のUHF帯レ-ダ-風速計システムを開発することである。原理的には大気の屈折率変動をタ-ゲットとするレ-ダ-であり,本申請者らが既に開発した中層大気観測用大型レ-ダ-と同じである. システムの基本的設計に関する予備的研究により,境界層を含む下部対流圏全域(地上〜高度約5000m)を観測することが可能との見通しが得られ,アンテナおよび送/受信機は既製品(移動無線機)の改良で充分対応し得ることが判明した.一方,当初の予想より2倍以上広い高度範囲にわたって取得される多量のデ-タの高速処理が必要となり,開発手順を申請当初のものから若干変更し,本年度(初年度)には,当初より計画していた(1)アンテナおよび送・受信機システムの設計・製作と,申請時には次年度実施を考えていた(2)デ-タ処理システムを開発・完成した.(1)については電子回路部品を消耗品費で購入した.(1)については,直径2mパラボラアンテナ3本から成る「空中線装置」,および出力1kwのLバンド送信機並びに受信機より成る「送受信装置」とすることが決定した.また(2)は「高速デ-タ取得装置」を設備備品費で購入し,風速等のパラメ-タ推定をワ-クステ-ションで行なうためのソフトウェアを作成した.中型トラック搭載,設営上の便あるいは強風下の安定性等も完全に実現が可能であると結論されている. 次年度(最終年度)には,申請時には(1)をMUレ-ダ-デ-タ処理系に接続して本年度中に行う計画であった試験観測と気象学的考察を実施し,試作品のマニュアルを中心とした成果報告書を出版する.
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