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1990 年度 実績報告書

新しい方式による時間分解フ-リエ変換赤外分光光度計の試作とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 02554019
研究機関東京大学

研究代表者

田隅 三生  東京大学, 理学部, 教授 (60011540)

研究分担者 増谷 浩二  日本電子(株), 分析機器技術本部・研究開発部・SPグループ, 次長
古川 行夫  東京大学, 理学部, 講師 (50156965)
キーワード時間分解赤外分光法 / フ-リエ変換赤外分光法 / 強誘電性液晶
研究概要

「非同期式」時間分解フ-リエ変換赤外分光光度計を試作し,強誘電性液晶の電場配向過程における時間分解赤外スペクトルを測定することができた。その結果,本研究で初めて開発された「非同期式」は1から100マイクロ秒程度の寿命をもつ過渡種の構造とダイナミクスを研究するのに有用であることが示された。
(1)非同期式時間分解フ-リエ変換赤外分光光度計の組み立て
過渡現象の励起として,液晶の場合にはパルスジェネレ-タ-を,フタロシアニンの場合にはパルスレ-ザ-(Nd:YAGレ-ザ-の第二高調波,532nm)を使用した。励起はFTーIRのサンプリングと非同期に行った。これが本方式の新しい点であり,時間分解測定を簡単に行える要因になっている。分光器には日本電子(株)JIRー5500を使用した。試料の過渡信号をMCT検知器でうけたのち,プリアンプで増幅し,ボックスカ-積分器のゲ-ト(EG&G PAR162,165)を用いてゲ-ト検出した。この信号を分光器に戻し,分光器のロ-パスフィルタ-で高周波成分を取り除くとともに通常のデ-タ処理を行いスペクトルを得る。励起からゲ-トまでの遅延時間を変えて時間分解スペクトルを得る。本装置の最小時間分解能は0.5μs程度であり,検知器の応答で制限されている。現在のシステムでは,検知器の周波数特性と干渉計の可動鏡の速度の制限から,励起の繰り返しは6kHz以上が望ましい。
(2)測定結果 装置の基本性能を検査するために光弾性変調器による偏光面の回転を測定したところ,正確な結果が得られた。強誘電性液晶を厚さ4μmのセルにいれて表面安定化状態とし,電圧印加に伴う分子の配向過程の時間分解赤外スペクトルを測定した。分子の長軸の運動と長軸回りの運動に違いが観測された。フタロシアニンのキャスト膜について光励起種の時間分解赤外スペクトルの測定を試みている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] K.Masutani,A.Yokota,Y.Furukawa,and M.Tasumi: "Asynchronous TimeーResolved Fourier Transform Infrared Spectroscopy" Appl.Spectrosc.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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