研究課題/領域番号 |
02555007
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
藤原 裕文 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (80001303)
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研究分担者 |
鈴木 孝佳 興和(株), 調布研究所, 研究員
宮永 滋己 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70182037)
中川 一夫 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (10110636)
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キーワード | 位相共役干渉計 / 位相共役波 / キサンテン系色素 / アゾ系色素 / 色素薄膜 / メチルオレンジ / エリトロシンB / 縮退4波混合 |
研究概要 |
有機色素含有膜は一般的に(1)実時間(〜ミリ秒の応答時間)で位相共役波を発生する、(2)物体光と対向する強い参照光が直交偏光していても位相共役波を発生する、(3)光に対する記録作用がある、などの特長を有する。これらの性質の組み合わせにより2つの機能を持つ位相共役干渉計を防振台上にマグネット付き光学素子を配置して構成した。光源としてアルゴンイオンレ-ザ-を使い、さらにccdカメラとテレビで出力像をモニタ-できるようにした。 第1の機能を持つ位相共役干渉計では、物体の初期状態をホログラム記録し、初期状態からその後の物体の位相変化を干渉縞として表示させる。この方法では、物体の位相差を検出できる。第2の機能を持つ位相共役干渉計では、物体の初期状態をホログラム記録し、初期状態からその後の物体の振幅変化を表示させ、物体の振幅の差を検出するために、偏光干渉を利用した。何れの場合にもコントラストの良い像を得ることができた。位相共役干渉計におけるキイデバイスである位相共役発生素子として、前述の(1)、(2)、(3)の性質を持つエリトロシンB含有PVA膜を使った。さらに、メチルオレンジ含有PVA膜を使えば(前述の(2)の性質を利用)動的物体のみを検出することもできる。 本位相共役干渉計の有効性は実証されたが、従来のホログラフィ干渉法の特長を満たし、写真乾板におけるような現像処理・収縮補正等が不要であなどの長所があるが、ホログラフィ成分((3)の性質を利用)の位相が光照射により位相共役素子の場所による変動がある。この欠点を抑制することが材料面からの今後の課題である。
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