研究課題/領域番号 |
02555010
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
板谷 良平 京都大学, 工学部, 教授 (90025833)
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研究分担者 |
坂本 隆男 日本電気硝子(株), 技術部, 部長
竜子 雅俊 明石工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (90043421)
青野 正明 愛媛大学, 工学部, 助教授 (90036244)
久保 寔 京都大学, 工学部, 助手 (80089127)
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キーワード | 紫外線源 / パルス放電 / 大電流冷陰極 / グロ-・ア-ク移行 / 可変色放電 |
研究概要 |
この研究は、先に本研究グル-プが開発していた大電流パルス放電用液体金属陰極(大電流冷陰極)を重水素放電管(D_2ガス放電管)に適用し、高出力・広帯域のパルス紫外線源を開発することを目的として実施された。その結果、下記の様にほぼ所期の目標が達成できた。 1)放射出力と点灯動作の安定化と金属蒸気の飛散防止-- a.放射出力増大化のため、放電のパルス幅を広げると重水素原子の放射が強まり、重水素原子と水銀原子が結合した分子の連続スペクトルが現れる。このスペクトルの出現と共に、必要な紫外線源である重水素分子の放射が弱まり、放電も不安定になる。この原因はパルス幅を広げたことにより重水素分子が解離し重水素原子を生じるためである。これを防ぐため、パルス幅を3μs以下に狭ばめることによって、重水素分子の解離を少なくすることができた。 b.大電流冷陰極の外部に冷却装置を設けることにより、液体金属が陰極から蒸発しグロ・ア-ク移行が不安定になることが、防止できた。 2)一層の高出力化-- a.放電パルスのピ-ク電流を増加することにより、重水素分子による連続スペクトルの放射強度は増大する。 b.重水素封入圧を変化させた予備試験用放電管では、封入圧7Torrの時、紫外線放射強度が最大となった。これは本研究の基となった過去の供試放電管(重水素2.5Torr封入)の約1.9倍の放射強度である。 c.重水素封入圧2.5Torrの供試放電管ではピ-ク電流776A、管電圧1336V、パルス幅0.4μs、繰返し周波数100Hz、平均電流60mAの時、既存の重水素放電管(浜松ホトニクス:L1128-40)の約1090倍の放射強度を得ている。これを製作中の封入圧7Torrの放電管に換算すると約2070倍となり、所期の目標出力1500倍を大きく上回る見通しである。
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