研究課題/領域番号 |
02555014
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
志水 隆一 大阪大学, 工学部, 教授 (40029046)
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研究分担者 |
大堀 謙一 堀場製作所, 開発3部, 係長
生田 孝 大阪電気通信大学, 応用電子工学科, 教授 (20103343)
木村 吉秀 大阪大学, 工学部, 助手 (70221215)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | コインシデンス / 透過型電子顕微鏡 / 元素分析 / 位置敏感検出器 / 二次元観察 |
研究概要 |
本研究は、電子顕微鏡、JEM-120CXを改造し、これに大口径X線検出器を取り付け、更に蛍光板の代わりに二次元位置敏感検出器(PSD)を用いて、X線とX線励起透過電子とのコインシデンスをとることによって、透過型電子顕微鏡を用いて試料中の二次元マッピングを行おうとするものである。現時点で得られている成果を次に記す。 (1)大口径X線検出器として1インチ径のシンチレータを特注してJEM-120CXに取り付け、パルス波高分布より特性X線を検出するシステムを製作した。 (2)高速に信号処理出来る二次元検出器としてPSDを購入し、位置敏感型光電子増倍管(PSPM)を製作し、これに自作した高速信号処理回路システムを接続した。本システムの性能は、立ち上がり時間5.5ns、伝達時間17ns、伝達広がり時間1.0nsできわめて良好なPSPMとして動作する事を確認した。 (3)コインシデンス測定を行った。予備実験として、蛍光板に高速電子を照射して、蛍光の方はPSPMで検出し、蛍光板より出るX線の方は、シンチレータ(NaI)で検出して、両者のコインシデンスをPとる事にした。その結果、遅延時間約26nsの所で明瞭なコインシデンスピークを確認する事が出来た。 今後の課題は、実際に膜厚のわかった試料を入れて、試料からの特性X線を検出して、目的とする二次元マッピングを観測する事である。このためには、若干X線の遮蔽等の装置の改造が必要となるものと思われるが、実現に向けての十分な成果を得ている。
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