| 研究分担者 |
山中 秀介 三井東圧化学(株), 技術研究所, 主席研究員
阪上 隆英 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (50192589)
西川 出 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (90189267)
三好 良夫 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (40029434)
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| 研究概要 |
サ-モビジョン顕微鏡損傷評価システム開発のための基礎的検討として,前年度に行った巨視的レベルでの損傷評価に続き,比較的低倍率の拡大レンズの装着による微視的レベルでの欠陥損傷評価を行った.すなわち,計測視野20×30mm,分解能250μm程度の拡大視野の下で,微小な欠陥・損傷検出あるいは損傷の観察を行い,本手法による微視的視野での欠陥・損傷評価に関する問題点の抽出を行った.得られた研究結果を以下に総括する.(1)き裂状欠陥の検出・計測に関しては,き裂先端での特異温度場検出に基づく特異温度場法の検討を行った.解析および数値シミュレ-ションの結果をもとに,き裂による特異電流場の強さおよび材料の熱的物性値が,微小き裂の検出限界に及ぼす影響を定量的に検討した.(2)複合材料および接合材料中の微小なはく離欠陥の検出・計測に対しては,欠陥による断熱効果に基づく断熱温度場法を検討した.材料の熱的物性値,欠陥寸法および加熱・冷却条件が,欠陥検出の分解能あるいは精度に及ぼす影響を数値シミュレ-ションにより検討し,また微小な剥離欠陥検出に最適な熱の流れを作るための加熱および冷却方法の実験的検討を行った結果,表面直下の欠陥であれば微小欠陥に対しても本手法が有効であることが明らかとなった.(3)電子部品材料に用いられている銅-ポリイミド接合フィルムの接合界面に存在する,1mm^2程度の微小な剥離状の実損傷の検出を行った.また,GFRPを赤外線輻射加熱した時の温度分布を計測し,GFRPに発生した様々な剥離損傷の形状を観察し,実損傷に対する本手法の有効性を明らかにした.(4)以上の検討を通じて,より微視的なレベルにおける欠陥・損傷評価を目指す,サ-モビジョン顕微鏡システムの開発に関する重要な指針を得た.
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