研究課題/領域番号 |
02555020
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石川 博將 北海道大学, 工学部, 教授 (80001212)
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研究分担者 |
内田 猛 (株)東芝, 重電技術研究所, 主幹
佐々木 克彦 北海道大学, 工学部, 助手 (90215715)
但野 茂 北海道大学, 工学部, 助教授 (50175444)
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キーワード | 摩耗機構 / ころがり-すべり接触 / 繰返し塑性 / 塑性構成式 / 有限要素法 / セラミックス・コ-ティング |
研究概要 |
1.摩耗機構の数値シミュレ-ション 前年度の結果より、ころがり-すべり接触による変形挙動には繰返し塑性変形によるラチェット現象が重要であることが判明した。よってその現象を解析するために、研究代表者が提案している繰返し塑性構成式を有限要素法に組み込み、シミュレ-ションを行った。その結果、コ-ティングを施していない機械構造用炭素鋼(S20C)では、繰返し接触によって生じるラチェット現象により、接触表面ではなく表層下においてせん断塑性ひずみが蓄積されていくことが判明した。つまり、機材摺動面近傍では累積塑性仕事が最大となり、この位置と摩耗粉の原因となるクラックの発生点が対応すると予想される。 2.セラミックス・コ-ティング材の変形挙動解析 セラミックス・コ-ティング材の変形挙動をより高精度に解析するための大規模な有限要素モデルを作成し、解析を行った。その結果、コ-ティングを厚くするほど変形量は小さくなりその効果は期待できることがわかった。しかし、コ-ティングを厚くしすぎると逆にコ-ティングと基材の界面に応力集中が生じる。この場合、コ-ティング界面近傍の挙動が新たな問題となる可能性がある。 3.摩耗試験・評価法の検討 ピン・オン・ディスク型の摩耗試験機により摩耗評価法の検討を行った。その結果、接触面(摩耗面)の変位量(摩耗量)には圧縮荷重による塑性変形量と摩耗粉の発生による基材の摩滅の両者含まれる。これらの発生メカニズムは別々なものとしてとらえて評価する必要性を見出した。
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