研究概要 |
二像面同時高速度撮影装置を計画仕様の通り完成させた。また同時撮影により動的破壊靭性K_<ID>のもつ基本的特性について予備的な研究を行い、新しい知見を得た。 1.二像面同時高速度撮影装置の試作 (1)カメラボックスの製作 記録方式:シ-トフィルム(6つ切)×2面(A,B)。ハ-フミラ-:250×280mm。光学系:入射光軸に対し45度に配列したハ-フミラ-により光を互いに直角方向に分離し、カセットに収納された6つ切フィルムA,Bに露光させる。A,Bの位置決めは独立してなされるので光軸上の2像面に焦点を結び、同時撮影が可能となる。カメラは望遠レンズ30個を装着しているので、30駒ずつの同時撮影がなされる。重量は22kgであった。 (2)高電圧パルス制御回路の開発と製作 全ソリッドステ-ト化した回路を開発し、製作を完成した。この回路はスパ-ク放電時に良好な耐雑音性を発揮し、光パルスの間隔をプログラム制御するのに力になっている。光パルスは1マイクロ秒から1秒まで(すなわち毎秒100万駒から1駒まで)任意に間隔を変えることができる。 2.シャドウグラフィ-像の鮮鋭度向上のための研究 径1mm以下のピンホ-ルでスパ-クギャップをおおうことが有効であることがわかった。 3.動的破壊靭性K_<ID>の測定における試験片形状効果 ピンホ-ルを装着したカメラによる2像面撮影でコ-スティック法により評価されるK_<ID>とき裂速度の関係には試験片形状効果のあることを見出した。今後この問題をさらに研究する。
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