研究概要 |
1.5自由度制御型能動空気軸受の試作: 既に試作した2自由度制御型ジャ-ナル軸受を2段に重ね,ラジアル方向の2自由度および傾きの2自由度の制御を行う.また,一方の2自由度制御型ジャ-ル軸受をスラスト軸受としても機能させ,軸に設けられたフランジを保持する.同フランジの反対側に静圧パッドと圧電アクチュエ-タの組合せと,変位センサを配置することによって,残るスラスト方向の制御を可能とする構造とした.さらに軸の回転駆動機構にはエア-タ-ビンを装備した.なお,試作軸受では,軸形状誤差を計測し,同誤差を目標値としながら制御を行うことにより,絶対的高精度な回転運動の実現できるように,軸形状測定用補助基準を設けた. 2.試作5自由度制御型能動空気軸受の性能試験:試作軸受の諸性能を測定し,以下結果を得た. (1)基本動特性 5自由度の各方向の開ル-プ周波数特性を測定し,これを基礎にPID-PDコントロ-ラを設計した. (2)静剛性,動剛性 制御時には静剛性が無限大であること,また動剛性も大幅に向上し,軸が十分制振されていることを確認した. (3)回転精度 制御しない場合80nm,0.08arcsec以上の回転運動誤差が,制御により15nm,0.015arcsec程度に低減されることを確認した. (4)軸の位置決め分解能と範囲 位置決め分解能は15nm,0.015arcsec,位置決め範囲は8μm,4arcsec以上であることを確認した.
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