研究分担者 |
横川 宗彦 東京都立大学, 工学部, 助手 (10191496)
佐久間 秀夫 東京都立大学, 工学部, 助手 (20128573)
諸貫 信行 東京都立大学, 工学部, 助教授 (90166463)
吉葉 正行 東京都立大学, 工学部, 助教授 (30094288)
渡辺 敦 東京都立大学, 工学部, 教授 (70167104)
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研究概要 |
真空環境用の直線運動機構として,高負荷容量,長ストローク,かつ高精度なものを実現するための基礎設計技術の確立を目的とし,スライダをしゅう動させたときの摩擦係数と三次元的な姿勢変化を測定した. スライダ寸法が90×120×20(接触面は2.5mm幅×120mmで2条,接触面圧39kPa)のステンレス製スライダを製作し,ワイヤ駆動で長さ600mmのステンレスレール上をしゅう動させた.運動中の姿勢変化を非接触変位計3個とレーザ測長器2軸を用いて測定した(ピッチング,ローリング,ヨーイングおよびZ軸並進変位).駆動軸に取り付けたストレーンゲージにより,摩擦係数も測定した. 真空度(圧力:1.3×10^<-4>,1.3×10^<-5>Pa)とすべり速度(〜40mm/s)を変えながら摩擦係数の変化を調べたところ,以下のことが明らかになった. 1)摩擦係数の速度依存性は小さいが,大気中ではすべり速度の増加とともに摩擦係数が小さくなるのに対し,真空中では大きくなった. 2)圧力が小さくなると摩擦係数の平均値が上昇するが,その変動はやや小さくなった. 3)しゅう動を繰り返していくと,突然摩擦係数が大きくなることがあり,その後,しゅう動できなくなってしまった(凝着). 姿勢変化を調べた結果,摩擦係数の変動が小さければ真空中でも高い精度の運動が得られることがわかった.摩擦係数の変動が大きくなると,それにつれて姿勢変化も大きくなり,凝着が起こると極めて大きな姿勢変化が生じることがわかった. 以上のような結果をまとめ,真空中の運動機構設計のための基本指針を検討した.
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