研究概要 |
本研究はクリ-ンル-ムや宇宙など極端に塵やほこりを嫌う環境下で使用される軸受を従来にない永久磁石を利用した非接触プラスチック磁石軸受の開発を目的としたものである。本研究は平成2年度、平成3年度に渡る研究であり、本年度は下記の実験研究を行い、研究実績を上げた。 (1)プラスチック磁石軸受としての外輪、内輪を射出成形で加工するための金型用キャビティの設計を行い、住友ベ-クライト(株)に製作依頼した。 (2)射出成形プラスチック磁石軸受の精度・応用について打ち合わせのため、工学院大(東京)、シチズン(田無市)および、流動シミュレ-ション解析のため日立製作所(土浦市)に出張。 (3)射出成形プラスチック磁石軸受としての外輪と内輪の射出成形と着磁を行うため住友ベ-クライト(尼崎市)へ出張,および流動シミュレ-ションの解析のためダイキン(堺市)へ出張。 (4)外輪と内輪の表面磁束密度測定機を宮城高専実習工場で試作。本試験機を使って円周上の表面磁束密度を測定。その結果、着磁をやり直した。外輪の内側と内輪の外側で同極性となり反発し、非接触状態となる。この場合、円周上で表面磁束密度が安定しているかである。 (5)動的試験機を宮城高専実習工場で試作した。測定原理は2個の購入したロ-タリ-エンコ-ダとデジタルカウンタからパソコンに入力し、原動軸と従動軸の回転角度を読み込み、グラフに比較して表し、その回転角度の精度を検討した。軸受に使用した軸は鉄心をプラスチックで覆った非磁性軸、鉄製の強磁性軸と真鍮製反磁性軸を使用して回転角度の精度を比較した。その結果、使用軸の材質が回転角度の精度に影響することが分かった。
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