研究分担者 |
小曾戸 博 ダイキン工業(株), 油機事業部技術部, 主任研究員
福西 祐 東北大学, 工学部, 助教授 (60189967)
庄司 哲雄 東北大学, 工学部, 教授 (80091700)
高山 和喜 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (40006193)
嶋 章 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30006168)
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研究概要 |
アブレシブジェット技術は,微粒子を高速噴流によって加速し,その衝撃破壊力を金属ないし非金属材料の特殊加工や高圧洗浄,原子力発電所を含む各種建築物の切断・解体など多くの分野に応用するもので,ウォ-タ-ジェット応用の先端技術のひとつとして近年産業界の強い関心が寄せられ,実用化への期待が急速に高まっている.本研究の目的はこの新しい技術を高能率,高精度なものとして確立し,実用技術として広く産業界に普及させるため,応用の予想される各種の金属材料および非金属材料についてアブレシブジェットによる加工特性を測定し,最適加工条件を決定することである。さらに本研究では,それらの基礎研究と所要デ-タを積み上げ広く実用化できるアブレシブジェット加工法を開発することを目的としている. 本年度においては,まず前年度に引き続いてアブレシブジェットにおけるアブレシブの加速特性の測定が行われ,新たに開発した光学的計測法によって,高速水噴流の中のアブレシブの飛行速度は水噴流速度の80%に達していることが明らかになった。つぎに,アブレシブジェットによる加工の動的過程の詳細を,透明なアクリル樹脂を切断材料に用いて写真に記録し,コンピュ-タによるデ-タ解析を行った.その結果,加工精度に直接影響を及ぼす加工面の縞模様の特性が定量的に明らかになった。その縞模様特性は加工材料の種類によらないこと,加工前面はノズルの送りに伴って連続的に進行しておらず周期性をもっていること,縞模様発生による粗さの大きさは加工材料の深さ方向に増大すること,しかしノズルからの噴流の吐出し圧力とノズルの送り速度の大きさの関係を最適条件に選べば粗さを僅少に止どめることができることなどを解明した。また,加工面に対するノズルの噴射方向を適切に選べば加工精度が向上することを見出した.
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