研究課題
試験研究(B)
アブレシブジェット技術は、微粒子を高速噴流によって加速し、その衝撃破壊力を金属ないし非金属材料の特殊加工や高圧洗浄、原子力発電所を含む各種建築物の切断・解体など多くの分野に応用するもので、ウォ-タ-ジェット応用の先端技術のひとつとして近年産業界の強い関心が寄せられ、実用化への期待が急速に高まっている。本研究の目的はこの新しい技術を高能率、高精度なものとして確立し、実用技術として広く産業界に普及させるため、アブレシブジェットによる加工特性を測定し、最適加工条件を決定することである。さらに本研究では、それらの基礎研究と所要デ-タを積み上げ広く実用化できるアブレシブジェット加工法を開発することを目的としている。得られた研究成果は次のとおりである。1.ノズルヘッドの設計はアブレシブジェット加工法の主要事項であるため各種形状のノズルヘッドが設計・製作され、実験によって性能の比較が行われ高性能を示すノズルヘッドが決定された。2.固体微粒子、液体塊および周囲から混合する気体からなる三相の高速混相流動であるアブレシブジェットの二重露光法による撮影に成功し、その複雑な構造をファジ-推論を応用したコンピュ-タ画像処理によって分析し、砥粒の飛行速度の光学的計測に成功した。3.アブレシブジェットによる加工の動的過程の詳細を、透明なアクリル樹脂を切断材料に用いて写真に記録し、コンピュ-タによるデ-タ解析を行った。その結果、加工精度に直接影響を及ぼす加工面の縞模様の特性が定量的に明らかになった。4.ノズルからの噴流の吐出し圧力とノズルの送り速度の大きさの関係を最適条件に選べば粗さを僅少に止どめることができることなどを解明した。
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