研究課題/領域番号 |
02555047
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井口 雅一 東京大学, 工学部, 教授 (60010683)
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研究分担者 |
藤岡 健彦 東京大学, 工学部, 助教授 (60167624)
飛原 英治 東京大学, 工学部, 助教授 (00156613)
永井 正夫 東京農工大学, 工学部, 教授 (10111634)
宮本 昌幸 (財)鉄道総合技術研究所, 主任研究員
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キーワード | リニアモ-タ-カ- / 誘導反発型サスペンション / 側壁浮上方式 / 超電導磁石 / 希土類磁石 / コイル誘導起電力 / 浮上力 / 磁気抗力 |
研究概要 |
側壁浮上方式による誘導反発型磁気浮上サスペンションの試験装置を製作した。車両側磁石に相当する磁束源はNbTi超電導線を多数回巻いた超電導磁石及びCo_5Sm希土類磁石の二種類を用いた。また、軌道側側壁コイルに相当するコイルはエナメル線を多数回巻いたものを自作した。 希土類磁石を用いた測定では、車両側浮上高さ高さ及び車両速度を変化させて、コイルに発生する誘導起電力及び磁石に発生する電磁力(浮上力及び磁気抗力)の測定を行った。また、超電導磁石を用いた測定では、同様の条件でコイル誘導起電力の測定を行った。その結果、浮上力及び磁気抗力の基本的特性を確認することができるようになった。しかし、試験装置部品加工時の残留歪みや偏心が原因で、車両速度に相当するコイル円盤回転速度を十分高速まで上げることが出来なかった。このために、各部品の加工方法を改善する必要がある。 一方、軌道側コイル形状に近似を行い、製作した試験装置のサスペンションを簡略化したモデルでシミュレ-ションを行った。この結果を試験装置の測定結果と比較したところ、コイル誘導起電力及び定常電磁力(電磁力時間平均)についてよく一致した。このようにして、試験装置の性能を模擬できるシミュレ-ションモデルを構築することができた。 さらに、試験装置におけるシミュレ-ション結果と、磁気浮上車両におけるシミュレ-ション結果を比較し、高速走行域における両者の特性の相関を明らかにすることができた。 以上のように、本試験装置から得られるサスペンション特性から一般的な誘導反発型磁気浮上サスペンションの特性を得ることが可能になった。したがって、サスペンション性能向上のための制御手法に対して実際の磁気浮上車両などで大がかりな制御実験を行うことなく、本試験装置による実験でその制御手法を評価することができる。
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