研究課題/領域番号 |
02555048
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大塚 二郎 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (30016787)
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研究分担者 |
山口 利明 日本精工(株), 開発加工センター, 課長
岳 杜夫 三菱瓦斯化学(株), 電子材料事業本部, 部長
深田 茂生 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (70156743)
香川 利春 東京工学大学, 工学部, 講師 (50108221)
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キーワード | 超精密位置決め / プラスチック / 高速位置決め / ナノメ-タ / フィ-ドバック制御 |
研究概要 |
本研究では、半導体製造装置や超精密加工機を対象としてPTP(Point to Point)方式の位置決め精度がナノメ-タ(nm)オ-ダでしかも高速の位置決め装置を試作した。その為に次のような対策を施した。(1)高速化の為にテ-ブル質量を小さくする目的でプラスチック(三菱ガス化学(株)製ビスマレイミドトリアジンレジン)を用いて従来の装置の16.7kgを2.0kgにする一方、サ-ボモ-タをコアレスにすると同時に、送り要素のボ-ルねじの外径を20mmから12mmにして慣性モ-メントを小さくした。また、ねじリ-ドを5mmから10mmにして高速化をはかった。(2)従来の装置では、テ-ブルが急加速・急減速するときにベットやベットを固定している定盤が振動し、この振動が目標位置の±10nmに収まるのに要する整定時間が900msかかった。これを減少させる為にAnti Residual Vibration(A.R.V)システムという装置を新たに考案した。(特許出願)。これは、テ-ブルとモ-タの加速時の慣性力とモ-メントをそれぞれ補助テ-ブル、補助イナ-シャに呼収させるもので、それらによりベッドと定盤の振動は全く認められなくなった。(3)超精密化については、従来の装置で用いたビット制御という本研究者らの考案した方法が本研究には適用できないことが判明したので、制御方法をテ-ブルの粗動・微動に分け、粗動は従来と同じ比例制御を、微動では各所軸受、特にボ-ルねじではテ-ブル微小変位領域におけるトルク-変位の関係が準線形(本研究では「ばね性」と呼ぶ)であることを利用して、微分要素をコントロ-ラにいれることにより10mmのステップ応答での位置決めで偏り誤差0.1nm、ばらつき誤差3.1nmと、今までにない超精密を達成した。以上より、本研究により、nmオ-ダの位置決め誤差と、整定時間304msという超精密高速の位置決め装置を新たに作成できとことがわかる。
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