研究課題/領域番号 |
02555051
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中川 紀壽 広島大学, 工学部, 教授 (80031128)
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研究分担者 |
末沢 公彦 シャープ(株), 音響研究所, 主任研究員
森田 茂 マツダ(株), 技術研究所本社研究所, 次長
藤田 勝久 三菱重工業(株), 高砂研究所, 次長
関口 泰久 広島大学, 工学部, 助手 (60226644)
池田 隆 広島大学, 工学部, 助教授 (50115523)
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キーワード | 音響予知 / 音響異常診断 / 音圧スペクトル / 音響インテンシティ / 音場の可視化 / デ-タバンク / 過度騒音 |
研究概要 |
近年の機械系にあける高性能・大容量化と共にコンピュ-タ制御化が進み、無人運転が増加している。そのため一度事故が発生すると被害が大規模になるため、それを未然に防ぐための異常診断による安全性の向上が要求されている。本研究は、このような機械系の運転状態の異常を予知および診断するために、これまでのような振動デ-タのみに頼ることから脱却し、新しく音響的デ-タを用いて解析し、機械系の異常を予知したり、診断するシステムを開発しようとするものである。上記の研究目的を達成するために、今年度行った研究の成果を以下に示す。 (1)機械システムの例として油圧ポンプを取り上げ、定常運動時に発生する音響情報として、音圧、音圧スペクトル、音響インテンシティを測定した後、ポンプ内に空気を含んだ異常時における音響情報の変化を調べ、高次振動に対応する音のデ-タに特微的な変化の現れることがわかった。ファジ-理論による音響異常診断も試みた。 (2)回転ロ-タに使用するべろがり軸受の正常時および異常(外輪,内輪上に傷がある)時に生じる音の収集を行い、その特性を分析し、デ-タバンクの構築に役立たせた。ディジタルフィルタによる解析の結果、周波数スペクトルの時間的変化に着目した分析の有効性が認められた。今後さらに、定常時および衝実などにより発生する過度騒音等のデ-タを集積し、デ-タバンクの構築を行う。 (3)三次元音響インテンシティを用いて、音場の可視化を行い、音場の表示に効果的な可視化法を提案した。アクティブのみならずリアクティブインテンシティの応用性についても考案した。 (4)運動時における油圧ポンプの周囲の音響インテンシティの測定を行い、音響エネルギの流れの様子を明らかにした。
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