研究分担者 |
永村 和照 広島大学, 工学部, 助教授 (70108794)
末沢 公彦 シャープ(株), 通信オーディオ研究所, 主任研究員
森田 茂 マツダ(株), 技術研究所, 次長
関口 泰久 広島大学, 工学部, 助手 (60226644)
池田 隆 広島大学, 工学部, 助教授 (50115523)
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研究概要 |
近年の機械系においては,高性能,高パワ-,大容量化と共にコンピュ-タ制御化が促進され,無人運転が増大しているが,そのため一度事故が発生すると被害は大規模となり,この事態を未然に防ぐためには,機械系を常時叉は定期的に測定,監視して異常状態を診断し,安全性を高めることが要求されている.また最近は,異常察知・修復能力を有する熟練者もますます希少化してきているため,熟練者が持つ,異常に対する高度な能力を工学的に引き出して整理し,基本的な訓練を受けた人であれば,熟練者以外でも対応できるような異常予知・診断システムを開発する必要がある.そこで本研究では,このような機械系の運転状態の異常を予知,診断および修復するために,これまでのような振動デ-タのみに頼ることから脱却し,新しく音響的測定デ-タ,特に音響スペクトルの時間的変化や三次元音響インテンシティに着目し,機械系の音響予知・診断システムを開発する.得られた主な結果を以下に示す. (1)定常運転時に発生する異常音の特徴を多量のデ-タについて抽出する必要があるため,必要な特徴を残した状態で,原波形のデ-タ数をコンピュ-タ処理に適した数に抑えたデ-タベ-スの構築を行った. (2)デ-タバンクに集積した種々の音響デ-タについて,音響インテンシティや音圧,スペクトルの時間的変化などの解析を行い,異常を特徴づける音響パラメ-タの選定を行った. (3)定常運転時における三次元音響インテンシティを測定し,音響エネルギ流れを明らかにすると共に,音場設計に有効な,音場の可視化を定常音および過渡音について行った. (4)音響の異常予知や原因の同定のみでなく,修復技術も必要であるため,さらに音場のアクティブコントロ-ルの研究を進め,以上の研究成果を基に,音響異常予知・診断システムのプロトタイプを作成した.
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