研究課題/領域番号 |
02555055
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電力工学
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研究機関 | 米子工業高等専門学校 |
研究代表者 |
橋口 清人 米子工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (00043571)
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研究分担者 |
新田 修司 川鉄ファインヒーター(K. F. H. ), 技術部製造課, 課長
沢 洋征 米子工業高等専門学校, 工業化学科, 助教授 (60043593)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | 樹脂 / 電極 / 放電加工 / Conductive / Flour / Composite / Resin / Electrode |
研究概要 |
柔らかい導電性樹脂により、鋼や超硬合金までなど硬い材料に熱影響を与える事により加工する、新しい放電加工法の開発を目的とした。実施計画としては、第一段階として、放電加工法に不可欠の液中パルス放電を、安定に繰り返せる導電性樹脂電極材料(工具に相当)の開発と、その放電現象の究明とした。第二段階は、工業界への応用開発と被加工材料表面の性状評価であった。その成果は、学会誌に二つの論文としてまとめ、さらにその後の継続研究により明らかにしたことを追加すると以下のようになる。 (1)カーボンや銅の微粉を混入した樹脂を電極とした。特に銅をアクリル樹脂に混入したものが、パルス放電の繰り返しや加工特性が良い。 (2)製作した樹脂電極を利用し、同時に複数個の放電痕を形成させた。従来の金属電極ではあり得ない現象であり、放電加工の最大欠点である加工速度が遅いことの改善に、一指針を与えた。 (3)約200℃で軟化する樹脂で鋼などに熱影響を与えた。 ・かなり複雑な凹凸がある金属面の、表面下約200μmまで焼き入れ加工を行う事を可能にした。 ・被加工材料表面は、マイクロ放電痕の集積である。表面はマイクロ凹凸により、表面積の拡大効果がある。 (4)ナイフで彫削できる柔らかい導電性樹脂に、印鑑状の文字や曲線、模様などを彫りこみ、鋼などの硬い材料に、刻印や転写を可能にした。 (5)放電柱周囲の液体成分を被加工材料表面に付加する事が可能である。 (6)被加工材料表面全体に、放電点が満遍なく分散する必要がある。 その要因が、パルス放電毎に発生するガスの挙動に大きく左右される事を明らかにした。 (7)樹脂電極の消耗が激しい事が、本放電加工法の最大欠点である。
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