研究課題/領域番号 |
02555056
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
下妻 光夫 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (70041960)
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研究分担者 |
伊達 広行 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助手 (10197600)
大野 英男 北海道大学, 工学部, 助教授 (00152215)
田頭 博昭 北海道大学, 工学部, 教授 (10001174)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | 低周波プラズマCVD法 / CH_4+H_2混合ガス / ドライプロセス / 薄膜堆積 / アモルファスカ-ボン膜 / ダイヤモンド薄膜 / 半導体低温プロセス / RFプラズマCVD法 |
研究概要 |
本研究は、商用低周波数50HzプラズマCVD法をハ-ドカ-ボン薄膜の低温形成プロセスとして確立させ、熱的ダメ-ジ等を回避し電子素子の微細化・高集積化、また各種材料の表面硬質化の促進に貢献することを目的としている。 平成3年度の研究成果は、次の様であった。:1)低周波プラズマCVD法において、ハ-ドカ-ボン薄膜堆積の最適周波数の探索を行ない、基板非加熱状態での堆積は、数kHz以下が最適である事を見出した。これ以上の周波数では徐々に薄膜の透明度が失われ、黄褐色に着色していき、光学ギャップが狭くなり組成が化学量論的なものから離れて行くようである。2)1)の結果から周波数の変化でプラズマの構造が変化していくものと考え、H^2+CH混合ガスプラズマ中の各発光(H^2 ^3Σ_g→ ^3Σ_u)、Hα)の位置分布を周波数50Hz、100kHzで測定した。結果は、発光の位置的な相違が見られず、むしろ発光の半周期ごとの放電初期過程に違いが見られた。この領域でのイオンの挙動やエネルギ-に影響し堆積物の再配列等に大きく関与するものと考えられる。・最終年度として平成2、3年度のまとめを次に述べると:1)低周波プラズマの平均電子温度(16000k)が、高周波の2倍程の高さを持ち、H^2+CH_4ガスプラズマ中で100kHz近辺がその境界になることがわかった。2)低周波50HzプラズマCVD法により基板非加熱状態で堆積したハ-ドカ-ボン薄膜の膜質は、抵抗率〉10^<14>Ωcm、破壊電界強度〉10^6V/cm、光学ギャップ〉4ev、屈折率2.4、高透明度、境面でCがsp^3結合の多いダイヤモンドに近いものであることが確認された。3)以上の結果から、低周波プラズマCVD法によって良質なハ-ドカ-ボン薄膜堆積ができ、この方法が低温プロセスとして十分使用できるものと考えられる。
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