研究課題/領域番号 |
02555058
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
阿部 正紀 東京工業大学, 工学部, 教授 (70016624)
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研究分担者 |
川又 肇 松下電子部品(株), 電子部品研究所, 室長
伊藤 友幸 東京工業大学, 工学部, 助手 (40203153)
五味 学 東京工業大学, 工学部, 助教授 (80126276)
玉浦 裕 東京工業大学, 炭素循環素材研究センター, 教授 (00108185)
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キーワード | フェライト / めっき / 薄膜 / 磁性体 / マスクレス・パターニング |
研究概要 |
1.レーザー照射フェライトメッキ膜の作製条件の探査と膜質改善 金属イオンの供給速度およびパターンニングの時の走査速度を変化させて、スピネルフェライト膜が形成される条件を明らかにした。定性的には、金属イオンの供給速度を速くするとFe_3O_4膜は形成しにくくなる。これは、供給速度を速くすることによって基板表面上の温度が、Fe_3O_4膜を形成するために必要な温度にならないためと考えられる。また、同様の理由によりパターンニングの時の走査速度を速くしたときもFe_3O_4膜は形成しにくくなる。基板表面上の温度が低いときにはFeOOHのような鉄の酸水酸化物、あるいは水酸化物が形成されると考えられるが、X線回折パターンには特徴的なピークは無い。 さらに、使用する金属イオン濃度と膜質との関係を明らかにした。金属イオン濃度が低いときには光照射しないフェライトメッキ法で作製した膜と同じく柱状構造となり易いが、金属イオン濃度を高くするにつれて膜は大きな粒子の集合体のようになり、膜表面の凹凸が激しくなる。また、パターンニングしたFe_3O_4膜の端面は金属イオン濃度が低い方がシャープなエッジが得られ易い。これらの実験結果よりパターンニングした膜の膜質を改善するためには、金属イオン濃度を低くする方がよいことが分かった。 2.NiZnフェライトメッキ膜の組成と磁気特性 レーザー照射フェライトメッキによりNiフェライト、Znフェライト、NiZnフェライトを作製した。これらの膜の組成は、光照射せずに作製した膜の組成と大きな変化はなかった。また、磁気共鳴半値幅および保磁力は光照射せずに作製した膜よりも大きな値を得た。これは、膜の構造及び表面が荒れているためと考えられる。今後、膜構造の均一化をより一層進めるための膜作製条件及び作製方法を検討する予定である。
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