研究分担者 |
小柳 滋 (株)東芝, 総合研究所・情報システム研究所, 主任研究員
石井 光雄 (株)富士通研究所, 情報処理研究部門, 部長
吉田 紀彦 九州大学, 工学部, 助手 (00182775)
村上 和彰 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (10200263)
福田 晃 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (80165282)
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研究概要 |
本研究における主な成果を以下に示す. 1.可変構造型並列計算機のための要素プロセッサの研究開発:相互結合網およびメモリの可変構造性を効率よく実現するために,プロセッサ間通信やキャッシュ・コヒ-レンスの高速化などのハ-ドウェア方式について研究した.具体的には,ハ-ドウェアによる要素プロセッサ間同期機構,およびディレクトリ方式に基づくコヒ-レンス制御機構を開発した.これらの機構を装備した要素プロセッサの第一次詳細設計を終了した.この結果をふまえ,要素プロセッサを128台接続した並列処理計算機を実現するための実装設計を行った. 2.基本ソフトウェアの研究開発:C言語をベ-スとした並列処理記述が可能な並列処理向き高級言語の仕様設計を終了し,その処理系を開発した.一方,既存の逐次処理言語を対象とした並列化コンパイラも開発中であり,その一環として相互結合網制御プログラム生成のための処理系を設計した.また,並列プログラムのデバッグに不可欠な,ヒストリ機能,トレ-ス機能,デッドロック検出機能などをもつ並列プログラム・デバッグ支援システムの開発に着手した.さらに,ホスト計算機と要素プロセッサとの間の通信プロトコルを開発した. 3.並列/分散オペレ-ティング・システムの研究開発:ハ-ドウェアの可変構造性を十分生かした並列/分散OSを構築するためには,ハ-ドウェアア-キテクチャと各種並列処理問題との親和性の定量的な評価で必要である.その第一段階として,密結合型マルチプロセッサのための並列OSの研究を行った.特に,カ-ネル処理の並列性に着目し,カ-ネル内部をメッセ-ジプ-ルと呼ぶ概念を用いて構築することで,この処理を並列化する方式を開発した.これにより,カ-ネル処理の負荷分散を可能とした.
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