研究概要 |
来たるべき高度情報社会に向けて,超高速超大容量光情報技術,特に次世代情報処理システムの構成に中核的な役割を果たすと目される集積光エレクトロニクスに対する関心と期待が急速に高まっている。本研究では,集積光エレクトロニクスの分野において頻繁に必要とされる光導波解析のための高水準ソフトウェアパッケ-ジを開発し,これを核にして設計現場における仕様決定,概念設計,さらには詳細設計作業を支援するための集積光エレクトロニクス向け高性能CADシステムを構築することを目的として研究を進め,以下の成果を得た。 1.前年度までの研究成果を基にして,光導波解析用ソフトウェアパッケ-ジのプロトタイプを開発するとともに,その性能評価を詳細に行った。 2.上記ソフトウェアパッケ-ジの解析ツ-ルには有限要素法を用いているが,この有限要素法による光導波解析の結果得られる1次情報,すなわち,等価屈折率や界分布(近視野像)の表示機能を開発するとともに,これらの情報から得られる2次情報,具体的には,光導波路の幅方向および深さ方向のスポットサイズ,深さ方向の界分布の対称性を表す係数,界分布の非円率,モ-ド閉じ込め係数,遠視野像とその半値全幅,導波路縦続接続の結合効率といった各種パラメ-タの評価機能を開発した。 3.要素行列の生成に必要な積分計算にハンマ-らの数値積分公式を採用し,要素内における屈折率の変化を忠実にモデル化した結果,グレ-デッド形の光導波路に対しても高精度な解析が可能となった。 今後,ここで開発した光導波解析のためのソフトウェアパッケ-ジの機能を強化するとともに,光集積回路の設計を支援できるシステムの構築を目指して研究を進める予定である。
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