研究課題/領域番号 |
02555075
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中村 僖良 東北大学, 工学部, 教授 (00005365)
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研究分担者 |
太田 義徳 日本電気(株), 研究開発技術本部, 部長
清水 洋 電気通信大学, 教授 (00005175)
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キーワード | 音響光学デバイス / 超音波トランスジュ-サ / 分域 / 圧電 / ニオブ酸リチウム / 光変調器 / 強誘電体 / 分極反転 |
研究概要 |
本研究代表者はLiNbO_3結晶表面にTi拡散により周期的反転分域を形成し、その上に交差電極を付けた新しい型のGHz帯で動作する高効率広超音波トランスジュ-サ-を考察した。本研究は、これを利用してLiNbO_3結晶が音波変換媒質と光学媒質を兼ねた広帯域高効率音響光学デバイスを提案し、超音波トランスジュ-サ-製作プロセスの確立と諸特性の解明ならびに音響光学デバイスの最適構成の追究を行って、格段に高性能な音響光学デバイスを開発することを目的としている。本年度の研究により得られた重要な成果・知見を以下に示す。1.LiNbO_3結晶表面にグレ-ディング状Ti膜を拡散することにより形成した周期的反転分域の分域構造を調べ、反転分域の断面プロファイルの拡散条件(Ti膜の厚さ、周期、幅、処理温度、処理時間、雰囲気)依存性を明らかにし、最適プロセスを確立した。2.縦波および横波音波トランスジュ-サの変換特性について理論解析を行い、LiNbO_3結晶の面方位、ストライプ状反転分域の方向、分域構造、電極形状などにより特性がどのように変わるかを調べた。これにより最適な構成を明らかにした。3.LiNbO_3結果中における音波と光の相互作用(等方および異方ブラッグ回折)の解析を行い、前項の結果を勘案して、光偏向・変調デバイスおよびコリニア型チュ-ナブル光フィルタのそれぞれに適した結晶方位およびデバイス構成を明らかにした。4.UHF帯における本トランスジュ-サの変換損特性の測定法として、RFパルス・エコ-法、およびアドミタンス特性より変換損を求める方法を確立した。5.最適構成の音波トランスジュ-サを試作し、インピ-ダンスおよび変換損の周波数特性を測定して最小変換損や比帯域幅などの評価を行った。その結果、変換損が約5dBで、比帯域が90%の良好な横波トランスジュ-サが得られることが示された。
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