研究課題/領域番号 |
02555079
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子機器工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
荒川 泰彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (30134638)
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研究分担者 |
今井 元 富士通研究所, 主幹研究員
藤井 陽一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00013110)
榊 裕之 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90013226)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | 量子井戸レーザ / 二重電極レーザ / 半導体レーザ / 超短レーザパルス / 光論理デバイス |
研究概要 |
情報化社会の高度な発展にともない、大容量長距離光通信や超高速光データハイウェイへの期待はますます高まっている。このような高能率情報伝送・処理システムを実現する方式としてヘテロダイン光通信方式と並んで極短光パルス列を利用した超高密度光通信が有望視されている。究極的性能としては前者がすぐれているが、後者は現在の光技術の延長として扱うことができるため、相当現実的なシステムということができる。しかしながら、現在のところ、半導体レーザにおいて極短光パルスを発生する技術が十分確立されていない。すなわち、モード同期法では、外部鏡が必要であること、また利得スイッチング法ではスイッチング電力が大きいことなど、それぞれ問題を有している。一方、能動Qスイッチング法は、これらの問題点を一応克服するものとして期待されている。 本研究では、変調器を集積したGaAs系量子井戸レーザの開発に関する基礎研究をおこない(1)二電極量子井戸レーザの試作および(2)光ポンピング法を用いた局所的励起と一様励起の組合せによる超高速光論理デバイスの試作も行った。まず二電極変調器集積型量子井戸レーザの試作についてはその技術をかなり確立することができ、30ピコ秒程度の幅を有するパルスの発生に成功した。さらに、内部変調器に印加するバイアス電圧を変えることにより、発振波長の制御が可能であることを示すことができた。これらにより本構造が実用上きわめて重要であることが示された。また、二重電極を有する分布帰還型量子井戸レーザの作製も試みた。一方、光ポンピング法を用いた局所的励起と一様励起の組合せによる超高速光論理デバイスについては、二つの励起パルスを入力とした論理動作を数十ピコ秒オーダの時間領域で行なうことができた。この結果は、将来の超高速光一光コンピューティングへの道を開くものとして期待できる。
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