研究概要 |
容量変化として容量そのものをとらえる従来の直接法に対して,探針-資料表面間の距離を振動により微小に変化させたときの容量変化をとらえる微分容量法を開発しているが、平成3年度は以下のような改良を行った。 (1)ステ-ジ駆動方式と針駆動方式を開発し、比較した。その結果、針駆動方式が安定性の面で優れていることがわかった。 (2)針駆動方式ではさらに針駆動系としてVHD駆動系,すなわち自由に動く探針を駆動コイルに流した電流により微小振動させるVHD方式と,圧電アクチュエ-タで針を直接微小振動する圧電アクチュエ-タ方式を開発、比較した。その結果、圧電アクチュエ-タ方式のほうがやはり安定性の面で優れていることがわかった。 (3)微小振動源としては従来はVHD針の固有振動(180Hz)に近い160Hzを用いていたが、平成3年度はS/N比向上のため、10kHzまで上げた。そのための回路等の変更を行った。さらにこのとき、加振周波数を大幅に上げるため、探針を支えるバ-の長さを5mm程度に短くした。この結果、十分なS/N比が得られることが確認できた。 (4)検出方式としては,うまく位相変動を抑えるよう調整した結果、同期検出方式を用いることができるようになった。 (5)さらに、高さ検出法として、検出器出力をそのまま出力・表示するのではなく、検出器出力を一定値に保つよう、検出器出力から針高制御アクチュエ-タへフィ-ドバックをかけた。そのフィ-ドバック量を針高として出力するようにした。この結果、背景トレンドの少ない画像が得られるようになった。
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