研究概要 |
従来は直接法を含めて静電容量の検出法の検討を行ってきたが,本年度は直接法よりもS/N比の点で優れている微分容量方式に絞って静電容量検出を行った. 加振周波数は従来160Hzを用いたこともあったが,S/N比の点からできるだけ高い周波数がよく,10kHzを用いた. また本年度は,信号検出方式として同期検波方式を用いたとき針駆動方式によるシステムの安定化について検討を行った.また,検波器出力が一定になるようにフィードバックをかけ,その時の針の高さを資料高さとして出力する2.5次元走査方式につき,ハード的なZ軸1/1000極微動回路(ステップ5/1000[nm])を付加するとともに,ソフトによるフィードバック方式の検討を行った.1/1000極微動回路を用いたときには,12bitD/A変換器によるレンジ外れが起こらない範囲(Z軸5/1000×4k=20[nm]以内)で走査した.その際,Z軸に関し針下降時と上昇時において1〜2[nm]に相当するヒステリシスがみられた.ただし,実際の資料で左右(X軸)1次元走査方向による再現性をみたところ,走査方向の影響はあまり大きくなく,この程度のヒステリシス特性は,装置のシステム精度を考えるとあまり大きな問題ではないことがわかった.同期検波方式における出力低域フィルタの遮断周波数は10Hzを用いた.この周波数は走査時間とS/N比とのトレードオフで決定された. 金属表面や半導体表面のいくつかの資料について画像化を行った.
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