研究概要 |
本年度は,研究計画当初からの提案である光集積高周波スペクトルアナライザと光集積プリンタ-ヘッドの2デバイスについて,目標性能達成のために必要な各構成ブロックごとの検討を行い以下の成果を得た。 1.試作2デバイスの仕様の細部を決定し,帯域や分解点数などの性能限界と目標特性を明らかにした。また作製手順を決定した。 2.音響光学変調・偏向部を電子ビ-ム直接描画・金属電極膜のパタ-ンニングにより作製する技術を確立し,1GHzの帯域を達成した。 3.プロトン交換により導波路フレテルレンズを作製する技術を確立した。 4.出力結合のためのグレ-ティングカップラの高効率化のため理論シミュレ-ションを行い90%程度の効率が達成可能なことを明らかにした。また実験においてもこれまでの結果を大幅に上回る効率を実現した。 5.プロトン交換フレネルレンズ,音響光学変調・偏向部・集光グレ-ティングカップラを集積化したスペクトルアナライザ,プリンタヘッドを試作し,その動作を確認した。 6.試作デバイスの詳細な特性測定・評価・改善を現在行っている。また,これらのデバイスの機能上の発展,または他デバイスへの本技術の応用のため,以下のような検討を行い,基礎的成果を得た。 7.音響光学コリレ-タの構成法を提案し,プロトデバイスを試作して,その動作を確認した。 8.電気光学効果デバイスへの発展の例として,光集積マトリクス・ベクトル・全並列乗算器を提案し,2×2デバイスを試作・動作確認した。 9.一次元並列光情報の結像,結合のための新しい導波形素子である線集光グレ-ティングカップラを作製し,その機能を確認した。 10.光情報処理のための短波長光源の集積化のため,導波形第2高調波発生デバイスの理論設計を行い,基本的な実験に成功した。
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