研究概要 |
本年度は,計画当初からの試作デバイスであるスペクトルアナライザとレ-ザプリンタヘッドについて,昨年度の成果を基礎として性能評価・改善を行なうとともに,本研究の技術の発展応用の可能性に関する研究を行なった。得られた成果は次のとおりである。 1.スペクトルアナライザ・プリンタヘッドの総合特性を評価し,性能を制限する重要な要因はキ-コンポ-ネントであるグレ-ティングカップラの効率であることを明らかにした。そこで効率改善のため,新たに高屈折率層装荷型カップラを提案し,理論解析で90%以上の効率が達成可能なことを明らかにし設計技術を確立した。また実際に試作・評価して,約89%の値を達成した。 2.スペクトルアナライザを変形発展させて2軸性集光グレ-ティングカップラを用いた音響光学コリレ-タを設計・試作した。基礎実験により,音響光学セルと半導体レ-ザに入力した高周波信号が2軸性集光グレ-ティングカップラによる空間並列処理機能で相関演算されて出力が並列に得られることを確認した。 3.空間並列情報を音響光学光集積回路内に結合するための一方法として,集光グレ-ティングカップラによる自由空間-導波路間の結像について理論的・実験的に検討した。結像特性を改善するための素子設計法を確立した。またガラス導波路を用いた実験で可能性を実証した。 4.高周波信号,光並列情報の処理への光集積回路技術の応用の可能性について調査研究を行ない,現状と将来の可能性を明らかにした。
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