研究課題/領域番号 |
02555083
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中鉢 憲賢 東北大学, 工学部, 教授 (20006224)
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研究分担者 |
菅沼 亮介 本多電子(株), 産業機器事業部, 課長
三野宮 利男 東北大学, 工学部, 教務職員 (40222418)
櫛引 淳一 東北大学, 工学部, 助教授 (50108578)
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キーワード | 方向性超音波顕微鏡 / 方向性PFBプロ-ブ / 画像計測 / 定量計測 / 弾性的異方性測定 / 振幅・位相の同時測定 / 多結晶材料 / V(z)曲線解析法 |
研究概要 |
本研究は異方性材料の微小領域における弾性的性質の計測が可能で、且つ画像計測と定量計測の両機能を兼ね備えた「方向性超音波顕微鏡」システムの開発とその実用化を目指すものである。 平成2年度の研究成果を要約すると以下の通りである。 1.「方向性超音波顕微鏡」システムの構築:(1)本目的に適した方向性PFBプロ-ブを開発するため、超音波音場の理論解析により音場パラメ-タの導出を行い設計指針を得た。(2)電気回路部の設計・試作を行い、超音波信号の振幅と位相を同時に画像情報あるいは定量計測情報として検出し、コンピュ-タによる計算過程を経て音速分布、減衰分布を画像表示あるいは定量表示する方法を検討した。(3)機械走査部の改良設計・試作を行い、走査幅1mmに対する縦ぶれを0.05μm以下にすることができ、画像計測時における位相検出の精度が著しく向上した。更に、縦ぶれによる位相歪をコンピュ-タに記憶させておき、得られた画像デ-タを補正する方法を開発した。(4)ミクロな部分の材料特性を形態的・定量的に解析するため、観測される超音波画像の視野中における任意の測定位置を選び出すための制御系をシステムに導入し、その実験手順を開発した。 2.画像・定量計測に関する実験:(1)本システムの動作特性を確認するとともに、多結晶材料を試料として結晶粒内の弾性的異方性測定を行い、定量計測デ-タと方向性画像との関連を理論的・実験的に検討した。その結果、多結晶材料の特性評価への有用性が明らかになった。(2)通常のV(z)曲線解析法による定量計測においては、干渉ディップ数を十分にとるために、かなりのデフォ-カスを行うので空間分解が低下する。これを解決するために、新たにV(z)曲線の中の干渉周期内のデ-タから音響特性を求める方法を開発した。
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