研究課題/領域番号 |
02555083
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中鉢 憲賢 東北大学, 工学部, 教授 (20006224)
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研究分担者 |
篠崎 行啓 中央精機(株), 営業部, 課長
菅沼 亮介 本多電子(株), 産業機器事業部, 課長
三野宮 利男 東北大学, 工学部, 教務職員 (40222418)
櫛引 淳一 東北大学, 工学部, 助教授 (50108578)
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キーワード | 方向性超音波顕微鏡 / 画像計測 / 定量計測 / 異方性試料 / 漏洩弾性表面波速度 / Mn-Znフェライト多結晶 / V(z)曲線解析法 / V(x,z)モード |
研究概要 |
本研究は、高い空間分解能と方向性を持ち、画像計測と定量計測の両機能を兼ね備えた「方向性超音波顕微鏡」システムの開発とその実用化を目指すものである。平成4年度の研究経過は以下の通りである。 前年度で完成した「方向性超音波顕微鏡」システムについて、その構成、計測法、信号処理法、適用法について総合的な検討を行った。 1.異方性試料としてY-cut quartzをとりあげて漏洩弾性表面波(LSAW)速度の伝搬方向依存性(異方性)を測定し、理論計算結果及び直線集束ビーム(LFB)超音波顕微鏡による結果と比較した結果、200-400MHz帯において本システムは十分な精度で異方性を測定できることが分かった。 2.微小領域の弾性的異方性の測定に対する本システムの有用性を確かめるため、試料としてMn-Znフェライト多結晶材料をとりあげ、LSAWの伝搬方向を任意に変えた場合の画像計測を行った結果、伝搬方向の違いによって各結晶粒のコントラストが顕著に変化し、結晶面の違いが定性的に説明できた。また各結晶粒内の一点について、V(z)曲線解析法によりLSAW速度の伝搬方向依存性を測定した結果、各結晶粒の異なった結晶面が定量的に把握できることが分かった。 3.本システムに新たにV(x,z)モードの機能を付加し、Mn-Znフェライト多結晶試料に適用した結果、画像計測の走査ラインに対するV(z)データの二次元分布像が容易に得られ、このデータをV(z)曲線解析することにより、LSAW速度のライン分布が定量的に計測できることが分かった。
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