研究概要 |
研究計画に記載のとおり,装置の試作とプログラム開発を行った。 1.マトリクスアレイ探触子の開発:計画当初は,30mm×30mmの外形サイズに25個程度の振動子を設置する予定であったが,基礎実験の結果から,振動子の数を減らしても音響窓への制限が小さくなる方が好ましいことが判明したので,外径3mmの環状アレイ探触子を試作した。探触子数は8,送波周波数12.5MHzで約二波長のパルス送波が可能である。 2.多チャネルデ-タ収集装置と超高速プロセッサの試作:計画当初は別々のボ-ドで作成する予定であったが,経費節減と高速性の確保には同一基板上に実装する方がよいことが判明したので一体化して設計・製作した。なお,アナログ系とディジタル系が混在するため開発は難行したが,±2Vの入力レンジ,40MHzの8ビットAD変換,4Kバイトの記憶容量をもつ超高速8チャネルパラレルデ-タ収集装置ならびに,50nsの積和演算が可能な超高速プロセッサの試作に成功した。 3.画像化プログラムの開発:ワ-クステ-ションによりシミュレ-ション実験を先行して実行し,立体像可視化のためのビジュアル・プレゼンテ-ション技術を開発した。このプログラムを1チップDSPのROMに焼きつけ,有効性を確認した。 4.モデル実験の実行:当初予定した試作装置の開発が順調に進行したので,モデル実験によって各装置の性能やプログラムの良否を評価した結果,来年度の本格的実験試験に向けての課題が整理できた。 以上,本年度の計画は順調に進行し,当該年度内での完成に十分明るい展望がえられていることを報告する。
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