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1991 年度 実績報告書

実働荷重をシミュレ-トするランダム疲労試験システムの構築に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02555091
研究機関大阪大学

研究代表者

冨田 康光  大阪大学, 工学部, 教授 (30029251)

研究分担者 川嵜 哲郎  三菱重工業(株), 長崎研究所, 研究主務
橋本 聖史  大阪大学, 工学部, 助手 (50183554)
藤本 由紀夫  広島大学, 工学部, 助教授 (60136140)
船木 俊彦  大阪大学, 工学部, 教授 (90029174)
キーワード船舶の疲労設計 / 長期分布 / ワイブル分布 / 船舶の標準実働荷重モデル / 疲労き裂伝播 / 下限界応力拡大係数 / モンテカルロシミュレ-ション / 多数切欠試験片
研究概要

船舶の疲労設計に関し、その作用外力を明らかにするため、本年度は平成2年度の北太平洋に引続き日本〜ペルシャ湾海域での実航海状態での実働荷重を調査した。その結果,両海域では最大有義波高に差があり北太平洋海域は船舶にとって厳しい海域(有義波高で約1.5〜2倍)であることが判った。両海域とも長期分布はワイブル分布で近似でき、しかも船舶の実航海状態は平穏な海域を航行している状態と様々な荒れた海域を航行している状態とにモデル化できることも判明した。従って前年度提案した標準変動荷重モデルの有効性を他の海域でも実証できた。
この標準変動荷重モデル-荒れた海域を6種類の嵐でモデル化し,同時に平均的に遭遇する6種類の嵐の数を定めた-により軟鋼材を用いた疲労き裂伝播試験を行った。嵐へ遭遇する時刻歴により,同じ大きさの嵐であっても,嵐1回当りにき裂が進展する量に差があること,それが同じ嵐であっても下限界応力拡大係数及びき裂開口点に差があることに依存することを明らかにした。また,き裂伝播速度に対する6種類の嵐の速度比を明らかにし,き裂発生後の余寿命評価を遭遇する嵐の大きさ及び回数で推定し得ることを示し,嵐への遭遇の仕方により相当短期間でき裂伝播量が多くなることも示した。更に,このき裂伝播挙動をモンテカルロシミュレ-ションで解析することを試み,シミュレ-ション法を構築し,その結果が定性的にも定量的にも実験結果と良い一致をすることを確かめた。
昨年度に引続きFEM解析に基づいた多数切欠付き試験片を開発し,疲労試験を行い,1本の疲労試験から寿命分布を推定できることを示すと共に,微小き裂成長,合体のメカニズムについていくつかの知見を得た。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 冨田 康光,河辺 寛,福岡 哲二,多所 誠次郎: "波浪荷重の統計的性質と疲労強度評価のための波浪荷重シミュレ-ション" 日本造船学会論文集. 170. 631-644 (1991)

  • [文献書誌] 藤本 由紀夫,福重 陽一: "多数切欠き付き試験片を用いた微小疲労き裂の発生および成長観察" 日本造船学会論文集. 170. 673-681 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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