研究概要 |
本研究課題の二年度目の今年は次の研究成果を得ることができた。 1).本試験研究の最も重要な装置である縦方向(すなわち水深方向)に10分割した造波装置を製作した。この装置の周波数特性(振幅,位相)を始めとする各種の作動実験を行い,その基本性能が要求される性能を満足していることを確認した。すなわち10ユニットの一つ一つが一次条の微分方程式で表現される条であることが明確になり制御が容易に行えるようになった。 2)上記システム係数を使って種々の動きをするように各造波ユニットの信号をパ-ソナルコンピュ-タ-で製作した。このコンピュ-タ-コ-ドは今後の造波信号の製作に大きく寄与することになる。 3)進行波が発生しない造波面運動をさせ,理論値どおり造波面が運動しているにもかかわらず波が出ないことを確認することができた。これは本研究課題の実現のためには重要な成果である。 4)造波機近傍に生ずる,進行波とは別の局所波を作らない造波面の運動をさせた結果,進行波は理論値に良く合致することを確認した。しかし微少な波動である局所波の有無を定量的に取り出すことはできなかった。 5)ピストン運動,フラップ運動,振子運動など従来から存在している造波機運動をさせた結果,従来のものと同様な性能を示した。これはただ一台の造波機で,従来のほとんどの造波機運動を実現できることを示すものである。 6)次年度に実施する計画になっている不規則波の造波に関しても初歩的な調査を行い,所望のスペクトルを持った不規則波を発生できることを確認した。 7)上記造波機を,コブラ造波機と名付けた。
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