研究課題/領域番号 |
02555096
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
姫野 洋司 大阪府立大学, 工学部, 教授 (50081394)
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研究分担者 |
西尾 茂 大阪府立大学, 工学部, 助手 (30208136)
高松 健一郎 大阪府立大学, 工学部, 助手 (10081390)
馬場 信弘 大阪府立大学, 工学部, 講師 (10198947)
奥野 武俊 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (60081395)
平野 進 大阪府立大学, 工学部, 講師 (70081388)
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キーワード | 滑走艇 / 飛沫抵抗 / 画像計測 / スプレ-抵抗 / 水面波 |
研究概要 |
本研究は、高速滑走艇の推進性能を流体力学的に検討し、その結果を設計手法に応用することを最終目標としている。そのため流体力学的性能に最も密接に関連する抵抗成分(造波、飛沫、摩擦)やそれらを生じる船体まわりの流れの観測、解析を本研究の目的としている。 本年度は研究の初年度であり、V型およびチャイン付柱体の単純3船型につき、抵抗試験、スプレ-の観測、流場の画像計測システムの開発などの実験の外、非線形自由表面条件のもとでの水面波形の計算などを当初の目標に設定した。 この内、抵抗試験については計測を終了し、現在解析中であるが、結果は来年度早々にもまとめることができる予定である。そして、スプレ-の観測については本年度は本格的に実施し、かなりの成果が得られた。すなわち、滑走体底部から発生する飛沫は、比較的厚さの薄い前方部分のウィスカ-部と厚い後方のブリスタ-部で構成されること、そして飛沫の持つ運動量損失抵抗は飛沫部分の流量・流速分布から推計できて、その値は全圧力抵抗の60%にも達すること、などが明らかとなった。また、本年度は造波抵抗についても波形造波抵抗を計測し、その値が飛沫抵抗と同程度になることも検証した。さらにこれらの抵抗成分を別途計測した圧力抵抗や全抵抗、摩擦抵抗の推定値などと比較検討することにより、滑走艇に作用する流体力の成分の構成をほぼ解明することができた。 残りの目標であった画像計測システムの開発は現在システム機器の調整と計測アルゴリズムの開発に主力をそそいでおり、すでに簡単な2次元流については検証を終えているが、本格的な3次元流の計測は次年度に実施する予定である。非線形水面波の計算も次年度実施することになろう。
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