金属棒の伝熱特性と地熱を有効利用するために、2種類の実験を行なっている。一つは室内(低温室)での自然対流下の融解実験である、金属棒(アルミ製)周辺の土およびコンクリ-ト内の伝熱特性、および融解特性を定量的に評価するためのものである。もう一つは室外実験である、直径5cm、長さ3mのアルミ棒を地中に埋設し、普通コンクリ-トおよび珪石コンクリ-トに接合させた場合と普通コンクリ-トおよび珪石コンクリ-トだけの場合の4種類の路面を作った。室内実験では普通コンクリ-トにアルミ棒を接合させた場合とそうでない場合の2種類の装置を作製した。装置底面には水道水を循環させて、土中内温度およびコンクリ-ト温度が定常になった後、室内温度を0℃にセットして土およびコンクリ-ト内の温度分布の経時変化を測定した。このデ-タおよび予備実験で求めておいた土とコンクリ-トの熱伝導率を用いて、自然対流下のコンクリ-トと空気の間の熱伝達係数を決定した。現在、低温室内の温度を周期的に変化させながら、氷板融解量の経時変化を測定している。室外実験では1月降雪における4種類の路面上の積雪深の経時変化を求めた。アルミ棒の無いコンクリ-ト土の積雪深が5cmのとき、アルミ棒のあるそれは3cmであり、地熱の影響が観察された。
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