北陸地方より南に位置するような暖地凍結地域を対象とした道路凍結防止工法の開発を目的として、1.環境に優しいローカル資源の利用、2.単純でメンテナンスフリー、を念頭に入れたシステムの開発を行なった。当該年度の研究成果で述べたように、アルミ棒を地中に埋め込み、その高熱伝導率を利用して地熱エネルギーを舗装体まで引き上げる方法は有効であることが観察された。コンクリート舗装体内の温度はアルミの影響によって常に1〜2℃程度高く、かつ地中からの供給熱量は土とアルミの熱伝導率の違いに相当する程度の大きな差のあることが判った。ただし、屋外実験でかつ夜間から早朝にかけた実験ゆえに、データの数が少なく、その適用限界についての検討ができないため、引き続き実験を継続する。 福原・福井は福井大学内において凍結の実験および伝熱解析を行ない、解析については積分有限差分法による解析の妥当性を室内実験におけるアルミ棒周辺の温度分布および氷板の融解の比較から検証した。 杉森・宮本は本手法の経済効果を調べると共に、融雪を主眼においたパイプインパイルと称する地熱利用による融雪システムの開発を行なった。 地温は地表面下3mでは14〜15℃と安定しており、この温熱を積極的に利用しかつ安価な凍結防止システムおよび凍結センサーの開発の必要性を痛感し、現在開発中である。
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