研究概要 |
本年度のテ-マは(1)トランスピュ-タの性能検定,(2)パラレルフォ-トランを用いる場合のチュ-ニング法,(3)ネスティッドダイセクション法の検討である。得られた成果をまとめる。 (1)トランスピュ-タの性能検定:使用したのはTー800を2個登載した並列型計算機であり、そのうち1個がル-トプロセッサ-,他の1個がサブプロセッサ-となる。2CPUを持った計算機では2倍の計算速度が得られるはずである。しかしながら2個のCPUを常に稼動させることはどの様な問題においても不可能である。数値実験では1個のCPUに比べて約40%の計算時間の節約ができることが判明した。 (2)パラレルフォ-トランを用いる場合のチュ-ニング法:Tー800上で稼動するパラレルフォ-トランは通常のフォ-トランと全く同じである。ただ、複数個のCPUを同時に稼動させるための仕事の割当をコマンド形式でプログラム中に挿入する必要がある。これにより仕事のどの部分がどのCPUで計算されるかが指定される。この言語でプログラム記述する上で最も注意を払わなければならないことは各CPUに等しい負荷を与えることである。負荷の与え方によって各CPUの稼動状況が決定され、計算機全体としての演算時間が決定される。 (3)ネスティッドダイセクション法の検討:正方形領域を(N×N)に離散化し,その結果得られた行列を対象としてネスティッドダイセクション法を適用した。比較のためガウス消去法,帯行列法のプログラムも作り,更に1CPU,2CPUの場合について検討した。得られた結果は次のとおりである。 1.ネスティッドダイセクション法が最も演算時間が短くすむ。 2.この方法を採用すれば、2CPUは1CPUに比べて約10%演等時間が節約できる。
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